ToshiyaのGuitar Technic Tips2 (For Beginner)

・とりあえず弾けるようになった君へ
ティップス1の練習はどうだっただろうか?
ダウンストロークのみでそれらしく聞こえるようになっただろうか?
なぬ、お茶の子さいさいとな!それは重畳。
え?曲がしらいんがたらしくない!だって?
そんな偏見を持っちゃいけない。俺は何だって弾くぞ! どんな曲にもその曲の良さがあるから、何でも弾いてみようという気になって欲しい。
たとえば演歌でもフォークでも、ギター捌きに共通する所があるもんだ。こういうのも面白いから機会があったら演奏してみることを勧めるね。

・コードのお話
前回話したローコードだけれど、ローコードだけでもまだまだ沢山ある。
よく使う他のローコードを一応書いておこう。
もちろん、他にも沢山のコードがあるし、ナインスやディミニッシュ、オンコードなんかもある。
おいおいこういうコード理論の話もするとして(俺はあんまりしたくないな)、まぁ、下に書いているローコードを弾けたら、歌いながら結構沢山の曲が弾けるだろう。
コードは左から順にメジャー、セブンス、マイナー、マイナーセブンのコードを示している。
6本の弦を1本の指で押さえるのをセーハとかバレーとか言う。
バレーと呼ぶ場合に、Fのコードみたいに全部押さえるのを大バレー、Dm7のように2~3本の弦を押さえる場合に小バレーとか言ったりする。
コードの名前の下にあるのが押さえる所の図になっていて、図の下にある数字がセーハするフレット、Xがミュートする弦を示している。
C C7 Cm Cm7
D D7 Dm Dm7
E E7 Em Em7
F F7 Fm Fm7
G G7 Gm Gm7
A A7 Am Am7
B B7 Bm Bm7


この位のローコードを覚えたら、弾きたい曲が沢山弾けるはずだ。
数字が書いてあるコードは、そのフレットから押さえるという意味だ。3と書いてあるコードは、3フレットから押さえる。この意味は、そのコードの一番低いベース音が5弦や4弦になりますよ、ということで、これを「トップノード」という。
CmやGm、Bのコードなんかはセーハ(人差し指一本で6弦を全て押さえる)するコードだが、コツはFと同じ押さえ方だ。全ての弦がジャーンと鳴るように頑張って練習して欲しい。
Bではセーハしているので、上から親指をかぶせることが難しい。こういうときはセーハした人差し指を1~5弦のみセーハして、6弦に指先を軽く触れるようにするとミュートできる。
アコースティックギターを弾いているなら、AやBのコードは中指、薬指、小指で押さえるけれども、エレキギターならば薬指一本で押さえたりする。これはアコースティックギターやクラシックギターとエレキギターで弦のテンション(弦を張る強さ)が違うからなんだ。コードの移動が多いエレキギターではよく使う押さえ方なんだ。
もちろん、エレキギターでも3本の指で押さえたってかまわない。

重要なことは、どのコードを押さえた状態からでも、行きたいコードへ素早く正確に移動することだ。
コード移動を段々早くしてみる練習をするといいだろう。
練習を繰り返していると左手の指先が痛くなると思うが、それを過ぎると段々指先が硬くなる。
ギター奏者の誰もが通る道だ。頑張って欲しい!

・ハイコードの話
音楽というやつには、音階以外にもオクターブというものがある。低音の「ド」から高音の「ド」があるのは当然だ。
もちろんギターにもオクターブがある。歌っていると、「ああ、ここから高くなるんだな」という箇所があって、ローコードだけじゃ表現しきれなくなったりする。
そういう時はハイコードを使って演奏するんだが、一般にハイコードは難しいと言われている。
俺にしてみりゃ、「形は同じままで移動すりゃいいから、そんなに難しいか?」とも思うんだが、少しその辺の話をしてみようか。

まず、こいつを見て欲しい。見ての通り、ピアノやオルガンの鍵盤だ。
なに?ピアノじゃなくてギターをやりたい?わかってる。まぁ聞いてくれ。

実はコードもこのピアノの鍵盤と同じく、1オクターブの同じ理論で存在している。だからCのコードは「ド」のコード、Dのコードは「レ」のコードという事なんだ。
こうやって見ると、Cには半音高い#(シャープ)が存在して、それはつまりDb(フラット)と同じという意味になるんだ。
ところが、ミ(E)からファ(F)とシ(B)からド(C)には半音上げる音が存在しない。
実はこれ、ギターでも同じで、基本的には1フレット上げると半音上げ(#)になり、1フレット下げると半音下げ(b)になる。
2フレット上げると上のコードになるということになるんだが、EからFとBからCは1フレット上げるだけで上のコードになる。

つまり、Cから始まって、C、C#、D、D#、E、F、F#、G、G#、A、A#、Bの11音階があって、音階(フレット)が12上がると1オクターブ上になるってことだ。 これを踏まえてコードを考えると、ハイコードはそう難しくない。ただ、望むフレットの位置に指を素早く移動できるかがポイントだ。



これはさっきのローコードのEmとEのコードだ。
EからFは半音上げがない鍵盤の理屈で、上に1フレット動かすと。


ご覧のようにFmとFになる。FからGへは#があるから、さらに2フレット上げてみよう。


これでGmとGになった。


同様にAmとA


同じくBmとBだ。
BからCへは#がないから1フレット上げる。


これでCmとC


2フレット上げでDmとD


これで12フレットをセーハした位置でのEmとEに戻る。つまり、12フレットで1オクターブ上がるって事なんだ。

なになに?「Cの音が高すぎて歌と合いません!」とな?
そらそうだ。Cのハイコードはここにしか存在しないわけじゃない。もっと低いところにもある。
じゃあ次はローコードの「A」からの発展を説明しよう。

これを2フレット上げてB

BからCは#がないから1フレットあげる。

2フレット上げてCからDへ

2フレット上げてEへ

EからFは#がないので1フレット上げる。

FからGへ2フレット

GからAへ2フレット上げると、やはり12フレットをセーハした1オクターブ上のAに戻る。

と、こういうわけだ。

どのローコードでも、セーハすることによって上のコードに上げていくことができる。
ただし、さっき話した「トップノード」はローコードから引き継ぐと覚えておいて欲しい。
つまり、Eのローコードの形でフレットを上げていくとトップノードは6弦にあるが、Aのローコードの形でフレットを上げていくとトップノードはずっと5弦にある。
あと、ローコードのCを上げていくと4フレットをまたぐから練習が必要だ。でも、よく使う。
ローコードのB7の形で上げていくには指が足りない。だから、A7やE7の形を使おう。

それから、楽譜には「b」とか「#」とかが出てくるが、音階は12フレットで1オクターブ上がると説明したように、C→C#(Db)→D→D#(Eb)→E→F→F#(Gb)→G→G#(Ab)→A→A#(Bb)→B→Cと一巡する。
つまり、1フレットあげると#(シャープ)、1フレット下げるとb(フラット)になるが、B#、Cb、E#、Fbは存在しない。ということも覚えておいて欲しい。

10フレットをセーハしたGなんかは、薬指一本で3弦を押さえる練習をしないと、3本の指では押さえられない場合が多い。
アコースティックギターになるともう押さえるのが難しい高さだね。だから極端なハイコードはエレキで使う場合が多いのも覚えていて欲しい。アコギで押さえられないからと言って悩む必要はない。もちろん、押さえて弾ける名手もいるが、テンションの低い弦に変えて弾くなどコツは沢山ある。引きたい曲によって弦が違ってくるってのも覚えておいてくれ。

実はこれ以外にも「構成音」という要素でコードを決定するとこができる。
これによって自在にコードが作れるようになるんだが、これはまたの機会にしよう。
文章にすると俺がこんがらがってしまいそうだ。(笑

とにもかくにも、こういうハイコードの理屈を覚えて、なおかつ瞬時に押さえる事ができれば世の中のほとんどの曲は弾けてしまう。
コツは、1フレット上げて半音上げ、2フレット上げて上のコードだが、EからFとBからCだけは1フレットで上のコード!
ってとこで練習してみて欲しい。

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